明治神宮の百々手式(ももてしき)

明治神宮では、成人の日を祝って矢を射る『百々手式』が毎年奉納されます。
『百々手式』(または百手式)は、お払いを受けた射手が矢を射って魔を鎮める儀式で、1回で10人の射手が10手ずつ、合計百手射ることからこのように云われます。

百々手式

百々手式


さて、平安の頃に始まったと言われるこの儀式。
その年の吉兆を占ったり、魔除けの意味を持ち、江戸時代には将軍の元服の時にも行われたそうです。
現在は、成人を迎えた人々の門出を祝う儀式として、小笠原弓馬術礼法教場の人々によって、神宮内宝物殿横に設けられた会場でとり行われています。

元々、歩射(ほしゃ)の一種で、戦陣において敵に攻撃の隙を与えずに味方が連続して攻撃する戦術です。
10人づつ前後の組に分かれて、前の射手の矢が的に到着する音を聞いてから、次ぎの射手が射放つ式法で、まさしく矢継ぎ早とはこのことでしょうか。

『百々手式』は明治神宮の他、伊勢神宮・橿原神宮・南宮大社・ 賀茂御祖神社・ 鹿島神宮などでも行われています。
成人の日、若者で賑わう渋谷原宿の近くに、百数十名の射手が全国から集まって、烏帽子(えぼし)、直垂(ひたたれ)の装束と古来からの作法で弓を射る。不思議な光景です。
そんな、古よりの厳粛な光景を一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。

【明治神宮】
 東京都渋谷区代々木神園町1-1
 電話 03-3379-5511
 ※百々手式は成人の日に開催されます。

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