浅草寺本尊御示現会にあわせて執り行われる「浅草神社宮神輿本堂 堂上げ・堂下げ」は、浅草寺と浅草神社が一体となって古くから伝える特別な神事です。 浅草の氏子にとって大切な三基の宮神輿が浅草寺本堂へ移され、一晩観音さまと共に過ごしたのち、本堂から再び神社側へ戻される一連の流れは、浅草の信仰の歴史そのものを体感できる貴重な機会となっています。 本記事では、「浅草神社宮神輿本堂 堂上げ・堂下げ」の意味や由来、当日の神事の流れ、今後予定されている慶讃行事との関わりまで、初めての方にもわかりやすくご紹介します。
目次
浅草神社宮神輿本堂「堂上げ・堂下げ」とは
浅草寺本尊御示現会と「示現会」の位置づけ
浅草で「堂上げ・堂下げ」が行われるのは、推古天皇36年(628年)3月18日に宮戸川(現在の隅田川)から浅草寺本尊の観世音菩薩像が出現したという伝承を記念する「浅草寺本尊御示現会(示現会)」にあわせてです。 この御示現を祝う法要は、浅草寺本堂で毎年3月18日前後に営まれており、そのなかで浅草神社の宮神輿が本堂に渡御する神事が、「浅草神社宮神輿本堂 堂上げ・堂下げ」として位置づけられています。 「示現会」は、観音さまが浅草の地にあらわれたことを寿ぐ特別な日であり、浅草寺と浅草神社双方にとって信仰上非常に重要な節目となっています。
浅草寺本尊御示現会「浅草神社宮神輿本堂堂上げ・堂下げ」2025年3月17日,18日 pic.twitter.com/mcHqFZ7sod
— 浅草スナックエンドレス青い部屋橘 (@jump1256) March 19, 2025
宮神輿三基と三社様の関係
浅草神社には、通称「三社様」と呼ばれる三柱の御祭神が祀られており、それぞれを象徴する三基の宮神輿が奉安されています。 この三基は、一之宮・二之宮・三之宮と呼ばれ、浅草の氏子地域(南部・東部・西部)をそれぞれ担当地域としている点が特徴です。 「浅草神社宮神輿本堂 堂上げ・堂下げ」では、この三基の宮神輿に三社様の御神霊を移し、それぞれが浅草寺本堂へと上がり、一定時間留まったのち、再び本堂から降ろされて神社へ戻るかたちで斎行されます。 三社祭でおなじみの宮神輿が、祭礼とは異なる厳かな神事の場で用いられる点も、この行事の大きな特徴です。
堂上げ・堂下げの歴史と意味
堂上げ・堂下げの由来と江戸以前の祭礼形式
浅草神社宮神輿本堂「堂上げ・堂下げ」は、江戸時代以前の祭礼形式の一部を今に伝える行事とされています。 かつて浅草では、観音さまの御示現を祝う行事と、三社様の祭礼が一体的に営まれていた時期があり、浅草寺本堂と浅草神社の間を神輿が往来する形が一般的でした。 近代以降、三社祭が5月の例大祭として定着するなかで、3月の「示現会」における堂上げ・堂下げは、古い祭礼形式を象徴的に継承する役割を持つようになったといえます。 現在も浅草神社公式サイトでは、「堂上げ」「堂下げ」の行事が恙なく斎行されていることが記されており、地域の信仰と伝統を継承する重要な神事として位置づけられています。
今日の浅草。
慶讃:浅草寺本尊御示現会「浅草神社宮神輿本堂堂上げ・堂下げ」
本堂に神輿が階段を登って行くところは
今まで見れなかった
"感激、感動" pic.twitter.com/YJy1sCIpVD— 演劇企画 平成.EXE vol.5.5 番外編出演します。チケット予約3/2〜脚本 演出 八木詠子 (@T_seiichirou) March 17, 2024
観音さまと三社様が「一夜を過ごす」意味
この行事では、三基の宮神輿に遷された三社様の御神霊が浅草寺本堂に籠り、観音さまと一晩を共に過ごすとされています。 浅草寺本堂堂上げののち、本堂内に安置された宮神輿は、読経や法要のなかで観音さまと並び立つ形となり、浅草寺と浅草神社の信仰が一体となる象徴的な時間が生まれます。 その後、翌朝には堂下げが行われ、三社様は再び浅草神社へ戻っていくことで、「仏」と「神」が一夜を共にするという、浅草ならではの歴史的な宗教文化が一年ごとに再現されているのです。 こうした構図は、神仏習合の歴史が色濃く残る浅草の宗教文化を今に伝える点でも、非常に貴重な事例といえます。
当日の流れと主な神事
1日目:神霊入れと本堂堂上げ
浅草神社宮神輿本堂「堂上げ・堂下げ」は、原則として3月17日・18日の二日間にわたって行われるスケジュールが組まれています。 1日目の夕刻、まず浅草神社において「宮神輿神霊入れの儀」が斎行され、三基の宮神輿に三社様の御神霊が丁重にお遷しされます。 続いて宮神輿三基が庫から出され(庫出し)、神幸祭が行われたのち、浅草寺本堂の御扉が開かれ、宮神輿が本堂前まで移されます。 その後、「浅草寺本堂堂上げ」が行われ、三之宮(西部)、二之宮(東部)、一之宮(南部)の順に本堂へ上がる形で神事が進められます。 堂上げ後は、浅草寺一山の式衆による読経が行われ、本堂内において観音さまと三社様が一夜を共にする時間を迎えます。
台東区の浅草神社です。
浅草寺本尊御示現を慶祝し、浅草神社宮神輿三基を「堂上げ」(17日)「堂下げ」(18日)する祭事にまつわる御朱印です。
三基の宮神輿が浅草神社に戻る様子を見ることができました。
神事びんざさら舞。巫女舞が奉奏されました。 pic.twitter.com/mOTvz9wF41— 御朱印はじめました (@sainokunihirosi) March 18, 2019
2日目:本堂堂下げとその後の神事
2日目の朝には、浅草寺本堂を舞台にして一連の法要と神事が続きます。 まず浅草神社宮司による祝詞奏上、続いて浅草寺一山式衆による読経が行われ、その後、「浅草寺本堂堂下げ」が斎行されます。 堂下げは、一之宮(南部)、三之宮(西部)、二之宮(東部)の順に本堂から宮神輿が降ろされる形で進行し、前日の堂上げとは逆の順序が採られるのが特徴です。 堂下げ後には、浅草寺本堂前で神事として「びんざさら舞」が奉納され、さらに本堂周りを巡る「宮神輿庭祭礼」や、仲見世・雷門方面へと進む「宮神輿御神幸」などが続く年もあります。 こうした一連の流れの中で、「浅草神社宮神輿本堂 堂上げ・堂下げ」は、示現会全体の中核的な神事として位置づけられています。
浅草寺本尊御示現 浅草神社宮神輿本堂「堂上げ・堂下げ」の詳細
最寄駅 : 浅草駅
会場 : 浅草寺および浅草神社境内
日程 : 2026年3月17日(火)~3月18日(水)
公式サイト : https://www.asakusajinja.jp/sanjamatsuri/jigene/
※掲載内容は変更されている場合があります。最新の情報は、会場や主催者の公式サイト等でご確認ください。















