渋滞緩和の切り札「首都高速中央環状線」

都心から放射状に伸びる路線については、これまでにおおむね整備されてきました。
しかし、環状方向路線の整備が遅れているため、都心部には通過するだけの車も流入し、 首都高速都心環状線を中心とした慢性的な交通渋滞が引き起こされています。
こうした渋滞を解消し、高速道路本来の機能を発揮するため、首都高速中央環状線の整備が進められています。

建設の進む新宿線では山手通りの地下約四十メートルの岩盤を、直径約十三メートルのシールドマシンが、ゆっくりと掘り進んでいます。
2006年度の完成を目指して、首都高速道路公団が建設を進めています。
首都高の三号渋谷線と五号池袋線を、目黒区青葉台から板橋区熊野町まで十一キロのトンネルでつなぐ工事で、一日平均約四メートルずつ掘り進んでいます。
コンピューターで管理された四十二本の油圧ジャッキが、円盤状のカッターを力強く押します。
カッターは三分で一回転し、岩盤を削り、カッターの進む方向をセンサーで確認しながら、掘り進む方向がずれないように作業員は細心の注意を払うそうです。
五号池袋線と川口線の間七・一キロを高架でつなぐ中央環状王子線(板橋区板橋―足立区江北)も、2002年度完成。

新宿線、王子線が完成すれば、都心環状線や、その合流付近から発生する渋滞は約六割、 環七通りや明治通りの渋滞も約一割、それぞれ減少すると同公団は予測しています。
「池袋から東京ディズニーランド(千葉県浦安市)までだと、所要時間は現在より約四十分短縮され、車で三十分で行けるようになる」とも同公団は予想しています。

渋滞の減少で、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出を年間二万五千トン減少させる効果も期待されます。
それは、代々木公園の約十四倍の広さの照葉樹林が一年間で吸収する二酸化炭素の量に相当するそうです。
これに対して、開通によって得られる経済的利益や、貨幣価値に換算した環境改善効果などを合計すると、 四十年間で約四兆八千億円にのぼると、同公団は試算しています。