東禅寺 -イギリス公使館-

現在でも港区にはたくさんの大使館がありますが、高輪の東禅寺(とうぜんじ)には東京で最初にイギリス公使館が置かれた場所になります。

このお寺は慶長15年(1610年)徳川家康・秀忠の軍学師範だった僧嶺南が 赤坂溜池の西側丘上に建立し、寛永13年(1636年)高輪に移されました。
東禅寺は臨済宗妙心寺派のお寺で伊藤家、稲葉家、池田家、毛利家等多くの大名の菩提寺にもなります。
庭園は自然の立地条件をうまく利用して造られ、池の回りにはツツジ、サツキ 、水蓮等がとり囲み秋の紅葉は大変美しい事で知られています。

安政5年(1858年)7月、日英通商条約が締結され、翌年6月6日イギリスの 初代公使オールコックが駐在します。
ちなみに、アメリカは元麻布の善福寺にハリス公使、フランスは三田にある 済海寺にド・ベルクール臨時公使、オランダは芝の西応寺にクルチウス公使を置き、それぞれ公使館を構えました。

しかし、万延元年(1860年)3月に井伊大老が暗殺される「桜田門外の変」があり、攘夷の思想(じょうい・外国人を排除しようと考え)が横行して外国人への襲撃焼き討ち等が相次ぎました。
そして、文久元年(1861年)5月オールコックも壌夷派の水戸浪士14人に襲われ 危うく難を逃れましたが、警備側と強襲側両方に即死者とけが人を多数出し、 イギリス人2人も怪我をしました。そのときの刀傷や弾痕が、奥書院や玄関の柱に今でも残っています。

当時の政情は不穏で、アメリカ公使ハリスの秘書ヒュースケンも、浪士の刃に かかって非業の死を遂げています。

東禅寺
港区高輪3-16-16