「築地」に初めてのホテル

 ご旅行やご出張などでホテルに宿泊される方は多いと思いますが、日本で最初のホテルが出来たのは慶応4年(明治元年1868年)11月19日。
築地本願寺の隣辺り、敷地面積は約7000坪、建物は木造2階建て、中央に3層の展望搭があり、大変美しい建物だったそうです。

当時の建物の多くは、高さ9尺2間(約6.3m)の2階建て規制があり、江戸幕府が町屋を3階以上にすることを禁止しておりました。
江戸の町はどこからも富士山が見えたという時代のことでしたから、この大規模なホテルは見物人が大勢押し寄せ、ホテルを描いた錦絵が百種類あまりも作 られるほど、たいへん人気を博しました。

当時のエピソードに
「築地に『ほてる』って大層なお屋敷が建ったんだねぇ。いったい何処のお殿様がお住いなんだぇ?」
「何言ってんだよ、おまいさん。『ほてる』ってのは『はたご』(旅館)の事 だよ。銭を払えば泊まれるんだよ。」
「なんでぇ、『はたご』の事かい。でもよ、そんなお屋敷じゃあお殿様しか泊めてくんねぇなぁ。」
のような会話があったとか?

また、外国の評価も高く、海外の最高級のホテルに匹敵すると賞されたと当時の書物にも残っています。
残念ながら、明治5年2月26日の大火で惜しくも焼け落ちてしまいました。