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渋谷区の坂道が語る歴史と文化
坂道が紡ぐ渋谷の物語
渋谷区には、江戸時代から名を残す坂や、近代以降に生まれた坂など、様々な由来を持つ坂道が点在しています。これらの坂は、渋谷の地形や歴史、文化を反映し、それぞれが独自の魅力を持っています。坂道を歩くことで、渋谷の発展の歴史や、人々の生活の変遷を感じることができるのです。坂道散策の魅力
坂道を歩くことは、単なる運動以上の価値があります。高低差のある地形が生み出す景観の変化や、坂の途中に佇む古い建物や神社仏閣など、平坦な道では味わえない発見があります。また、坂の名前の由来を知ることで、その地域の歴史や文化への理解が深まり、新たな視点で街を見ることができるようになります。渋谷区の歴史ある坂10選
宮益坂(みやますざか)
・由来:江戸時代、坂の途中にある御嶽神社にあやかって、町名を渋谷宮益町に変えたことから名付けられました。以前は富士見坂と呼ばれていました。・特徴:渋谷駅から青山通りへ上がる長い坂道で、かなりの傾斜があります。かつては富士山を望むことができ、江戸と郊外農村を結ぶ重要な接続点でした。現在は高層ビルに囲まれていますが、歴史的な重要性を感じさせる坂道です。宮益御嶽神社
— 北向き地蔵 (@KITAMUKIJIZO) September 1, 2023
東京都渋谷区渋谷
室町時代初期大和国吉野郡金峰神社の分祀社として創建されたと伝わります。御祭神は日本武尊。元亀元年(1570)甲府武田家の陪臣石田勘解由茂昌という武士が所持していた尊像を合祀。境内の不動尊像は炙り不動と呼ばれ苦しみや疫病を香煙で炙り出すという。 pic.twitter.com/cxihkO4Lom
道玄坂(どうげんざか)
・由来:諸説ありますが、江戸時代に和田義盛の残党、大和田太郎道玄がこの坂に出没したことから名付けられたという説が有力です。・特徴:渋谷の繁華街の中心を通る有名な坂道です。かつては渋谷川の渡し場へと続く道でした。現在は飲食店や商業施設が立ち並び、渋谷の賑わいを象徴する坂となっています。坂を歩くだけで、渋谷の発展の歴史を感じることができます。
スペイン坂(すぺいんざか)
・由来:昭和50年、近くの喫茶店「阿羅比花」の店主が、スペインの風景に心惹かれて命名しました。・特徴:渋谷PARCOの裏から井の頭通りへと下る坂道です。命名後、周辺の建物が南欧風に整備され、異国情緒あふれる雰囲気を醸し出しています。若者に人気のスポットで、TOKYO FM渋谷スペイン坂スタジオがあることでも有名です。39年前の渋谷のスペイン坂。
— 中井かんいち (@ichikawakon) January 12, 2023
1984(昭和59)年に渋谷区宇田川町で撮影された写真。
「スペイン坂」という名前は、PARCOからの命名の依頼により、喫茶店「阿羅比花(あらびか)」の店主の内田裕夫が1975(昭和50)年につけたもの。
引用元は本ツイートのスレッドを参照してください。 pic.twitter.com/9l9GfhCxT0
間坂(まさか)
・由来:平成元年、Loftが一般公募により命名しました。「渋谷駅と公園通りとの間」「ビルとビルの間」という意味が込められています。・特徴:井の頭通りから公園通りへLoft沿いに進む道です。「まさか」という語呂の良さと、「間」という漢字が人と人との関わり合いをイメージさせることから、現代的でユニークな名前の坂として知られています。
オルガン坂(おるがんざか)
・由来:通りの周辺に音楽関係の店が多かったことから命名されました。・特徴:井の頭通り東急ハンズ前の交差点からパルコ前交差点へ上がる坂道です。東急ハンズ前の階段がオルガンの鍵盤に見えるという説もあります。音楽と若者文化の息吹を感じられる、渋谷らしい坂道です。
天狗坂(てんぐざか)
・由来:その急な傾斜から、天狗の鼻のように高くそびえる様子や、天狗のように歩くのが難しいことから名付けられたと言われています。・特徴:坂の途中には、地域の守り神である天祖神社があり、歴史と信仰が息づく坂道となっています。急な傾斜を歩くことで、江戸時代の人々の日常生活の一端を体感できます。
弥之助坂(やのすけざか)
・由来:江戸時代の地域の有力者や土地所有者の名前に由来するとされています。・特徴:狭い路地と歴史的な雰囲気が残る坂道で、周辺には古い町並みが点在しています。地域の歴史的な人物の名前を今に伝える貴重な坂道です。
ネッコ坂(ねっこざか)
・由来:名称の由来には二説あります。一つは「木の根のように曲がっている道だから」、もう一つは「木の根がたくさん道に出ていたため」というものです。 ・特徴:渋谷区神宮前5丁目に位置し、全長約200メートルの坂道です。木の根のように曲がりくねった独特な形状が特徴的で、江戸時代から続く古い道です。天保年間の地図にすでに記載があり、一説には鎌倉街道の一部だったとも言われています。明治時代には代々木練兵場への往来で賑わいました。現在は公務員住宅などに囲まれていますが、その曲線と歴史的雰囲気は今も多くの人々を魅了し続けています。切通坂(きりどおしざか)
・由来:丘を切り開いて作られた坂道であることから名付けられました。・特徴:渋谷区内に2箇所存在します。特に代々木4丁目の切通坂は、画家・岸田劉生が描いた「切通之写生」の舞台として知られています。芸術と歴史が交差する坂道として、文化的な価値も高い場所です。東京駅から2kmほど歩いて到着した東京国立近代美術館、通常展のMOMATコレクションを見ましたが、すごい数のコレクションですね!??
— 京都・奈良大好き 宇野 (@butsuzou_lover) December 16, 2024
以下、重要文化財の3点は指定されるだけの存在感がありました(写真撮影可)???
岸田劉生《道路と土手と塀(切通之写生)》
和田三造《南風》
原田直次郎《騎龍観音》 pic.twitter.com/arxz0XOYhe
ビール坂(びーるざか)
・由来:かつてこの坂にビール会社の社宅があったことから名付けられました。・特徴:比較的新しい名前の坂ですが、渋谷の産業発展の歴史を物語る坂道として興味深い存在です。現代的な名前と周辺の景観が、渋谷の新旧の魅力を同時に感じさせてくれます。