知られざる秋葉原の由来と正しい読み方

秋葉原
電気街として有名な秋葉原。その名前、正しく読めていますか?実は、地元の人々の間では「あきはばら」ではなく「あきばはら」が正しいという声も。今回は、秋葉原の地名の由来と、その読み方にまつわる興味深い歴史を紐解いていきます。知れば知るほど面白い、東京の隠れた雑学をお楽しみください。

秋葉原の地名の由来

江戸時代からの変遷

秋葉原の歴史は江戸時代にさかのぼります。当時、この地域は下級武士の居住地でした。「火事と喧嘩は江戸の華」と言われるほど、頻繁に火災に見舞われていました。

明治時代の大火と秋葉神社

明治2年、神田相生町から出火した大規模な火災が、この一帯を焼き尽くしました。被害は1000軒以上に及び、明治天皇の命により、約1万坪の延焼防止地帯(火除地)が設置されました。さらに、その中心に火防の神・秋葉大権現を祀った「秋葉神社」が建立されました。

秋葉原の読み方の変遷

「あきばはら」の由来

秋葉神社の読み方は「あきばじんじゃ」でした。これに合わせて、この地域は「秋葉(神社)のある原っぱ」という意味で「秋葉原(あきばはら、あきばっはら)」と呼ばれるようになりました。つまり、「あきばはら」という読み方のほうが歴史的には正しいのです。

「あきはばら」への変化

現在の「あきはばら」という読み方が定着したのは、明治23年に秋葉原駅が開設されてからです。駅の読み方が「あきはばら」と決まり、それが街全体に広まったとされています。ただし、なぜ「あきは」と読むことになったのかは明確ではありません。

現在の秋葉原と読み方の論争

地元の人々の意見

現在でも、地元の人々の中には「あきばはら」が正しいと主張する声があります。「生まれも育ちも秋葉原の高齢の父も『昔はあきばはらって言ってた』と以前から言ってました」という証言もあります。

専門家の見解

秋葉神社の宮司である沼部文彰さんによると、「どちらとも言えない」というのが現状です。明治初期の資料には「あきはのはら」という読み方の記録もあり、様々な読み方が混在していたと考えられています。現在の「あきはばら」という読み方は、静岡県浜松市にある秋葉神社(あきはじんじゃ)を参考にした可能性があるそうです。

秋葉原の読み方をめぐる議論は、東京の歴史と文化の奥深さを物語っています。「あきはばら」と「あきばはら」、どちらも歴史的な根拠があり、一概にどちらが正しいとは言えないのかもしれません。この地名の変遷は、日本の近代化と都市の発展を反映しているとも言えるでしょう。秋葉原を訪れる際には、この興味深い歴史を思い出してみてはいかがでしょうか。

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