洪水に備える、環7巨大地下トンネル

現代は河川上流の山林が宅地開発などで消え、その保水機能を失っています。
道路はすべてアスファルトで覆われ、河川流域には家屋やビルが密集して立ち、露出した土の部分が無い為、 水の透過性がなくなり、平野部においても保水機能が無くなっています。

雨水は大地に吸収されずに、大半が河川に流れ込み、これが近年の洪水到達時間の短縮、ピーク流量の先鋭化を生んでいると言われています。
「都市型水害に対する備え」として東京都が掲げる「環七地下河川」構想は、首都東京において板橋区北西部にある白子川から、東京湾に至るまでの約30kmの“地下河川”を作りあげようとする構想です。

15年に1回とあるといわれる、1時間に75ミリ集中豪雨にも耐えられる事を前提にし、地下約40mの深さを10mを超える口径の河川トンネルを走らす。
それはちょうど山の手を南北に横断し、都道環状七号線の地下を走るので「環七地下河川」と命名されました。

最上流の白子川、ついで石神井川・神田川・目黒川の4水系10河川のオーバーフローを防ぐ役割を果たします。
その構想は既に第1期事業を終了しています。
神田川の洪水を貯留するために作られた「神田川・環状七号線地下調節池」の完成がそれになります。
現在のところ「調節池」になっていますが、、将来は地下河川の一部となる予定です。
その機能は、豪雨で川の水位が高くなると、川に設置された取水施設から地下トンネルに水を取り込み一時貯水する、雨がやみ水位が下がったら貯水した水をポンプで川に戻してやる、というものです。

この地下調節池の口径は12.5m。
その口径は、東京湾横断道路の海底トンネル部の口径とほぼ同じだそうです。
第一期事業は既に1997年から延長2.0km、約24万m3の水を取り込む調節池として供用が開始されており、周辺地域の浸水被害軽減に大きく貢献しているそうです。

第二期事業は、善福寺川の洪水約30万m3を貯留するため、延長2.5kmのトンネル(内径12.5m)と洪水を取り込む取水施設を建設しております。

杉並区梅里にある、大型掘削機械を地下に下ろす立坑には、深さ59.9m、内径25.0mの大穴があいています。

追記:平成19年に、環七地下調節池の善福寺川取水施設が完成しました。

善福寺川取水施設
【住所】杉並区堀之内2-1-1